愛情不足により、多くの心の病気を引き起こしたり、時には、人間関係で生きづらさを抱えてしまうことがあります。
「自分は親に愛されなかった。だから、愛されて育っている人を見ると、腹が立つ」
「あの人は自信があるのに、なんで私はこんなにも自信がないんだ」
と自分を責めたり、劣等感を感じる事があるでしょう。
一概には言えませんが、「愛情不足によって起こり得る」こととも言う事ができます。
今日は、「愛情不足」が「生きづらさ」を抱えてしまうというタイトルで、記事を書いてみたいと思います。
愛情とは
愛情とは、親が子どもに注ぐ愛。夫婦や恋人関係だったら、相手に愛を注ぐことです。
大切に想う気持ちであったり、人を大切に慕う気持ちなども愛情と言います。
愛情とは、言葉の通り、「愛する感情」とも言い、相手のことを大切にしたいという気持ちです。
例えば、親が子どもに注ぐ愛情というのは、
- 「あの子はこのおもちゃが欲しいって言ってたからプレゼントしよう!」
- 「このお菓子好きだって言ってたから買っていってあげよう!」
夫婦・恋人関係も同じ事が言えますね。
相手のことを大切にしたい・好きだから相手がしてほしいことや相手が喜ぶことをすることが、愛情と言えるのではないでしょうか?
愛情不足とは
子どもや人を愛していたとしても、その愛情を伝えることが出来なければ、愛情は伝わりません。
例えば、子どもが求めているのは、母の愛であったり、父の愛です。
たとえ、おばあちゃん子だとしても、いくら他の人から愛されていたとしても、親の愛を感じなければ、子どもは愛情不足になってしまいます。
また、プレゼントなどにも、愛情不足が関係してきます。
子どもや相手のためにプレゼントを買って、喜ぶ顔が見たいという純粋な気持ちならば、きっと愛情は伝わるでしょう。
ですが、私自身も子どもの頃に、親からプレゼントされた物で記憶に残っているのが、
「子どもの気持ちを考えないで、プレゼントされたものは、あまりうれしくない」というのがありました。
親の一方的な思いでプレゼントされたものは、自分が欲しかったものとはかけ離れていて、あまりうれしくなかったです。
たとえ、言葉や態度で愛情を表現出来ていたとしても、相手の気持ちや想いに添っていないと、愛を感じることが出来ず、愛情不足として受け取ってしまうことがあります。
愛情不足で育った子どもの特徴
子供はどんな子供でも自分の事を「愛情不足」だとは感じていません。また、認めたくないと想うかもしれません。
ですが、子どもは、「愛されないこと」の意味がまず頭で理解できないからです。だからこそ、子どもは、無意識に心や身体を使って、愛情不足のサインを出します。
夜泣きやおねしょが多い
まず夜泣きやおねしょ、寝ぼけてあるきまわったり、落ち着きがない、などがまず挙げられます。
こうなってしまう要因の一つとしては、親の愛情が子どもに伝わっていないくて、子どもが寂しさを感じてしまいます。
でも、子どもは、「お母さん・お父さん、僕寂しい!」と言葉を発することが出来ないので、
夜泣きやおねしょをして、お母さん・お父さんにかまってもらうことで、子どもの「寂しい」という気持ちを満たそうとしています。
ですが、こういう時に、親が子どもを怒ることはしてはいけません。確かに、夜泣きやおねしょというのは、つい怒ってしまいます。
「なんで夜泣くの!?お母さんやお父さんは寝ているんだよ?」「なんでおねしょをするの!寝る間におトイレに行きなさいといったでしょ!」
と、つい怒ってしまいます。
ですが、子どもは、夜泣きやおねしょを通して、無意識ながらに、「僕の願いは叶えてくれるのかな?」と親に試していることがあるんです。
もし、こういった場面で、怒ってしまうと、「僕は、お母さん・お父さんに大切にされていないんだ」と思ってしまいます。
でも、夜泣きやおねしょをした時に、お母さん・お父さんが怒らず、子どもを見守っていくこと。決して責めずに、受け入れて肯定的な言葉をかけてあげたり、謝ることで子どもの心には、「僕のことをかけてくれる」「大切にされているんだ」という感覚が育っていきます。
そうすると、子どもは愛情を貰えていると感じることが出来、おとなになっても、愛情不足によって「生きづらさ」を感じることはありません。
爪を噛む・指を吸う
爪を噛んだり、指を吸うことで、子どもは精神状態を安定しようとしています。
特に、小さい子どもに、多いですが、大人になった人でもよく見かけます。
これは、赤ちゃんの頃、おっぱいを吸うこと安心した顔をしますよね?それは、赤ちゃんはおっぱいを吸うことで、母親の愛を感じ安心します。
爪を噛んだり、指を吸うことも似ています。
母親の愛情が不足していると、無意識で赤ちゃんの頃を思い出し、爪を噛んだり、指を吸うことで、おっぱいを吸う頃の記憶と合わせようとしているのです。
爪をかみ始めたり、指を吸うことが多くなったら、母親の愛情を求めているサインなので、もう一度子どもに、たくさんの愛情をあげましょう。
一人になることが多い
お友達がいたり、保育園や幼稚園、学校で一人でいることが多くなったら、要注意です。周りからは、「手がかからなくていいね」と言われたりしますが、これも立派な愛情不足のサインです。
本来子どもは、「楽しい」「悲しい」「嫌だ」という気持ち・感情を、お母さんやお父さんと一緒に共有をするものです。
ですが、一人でいると、その感情表現を共有する相手がいないために、本来子どもが感じて話す言葉を抑圧している恐れがあります。
また、「一緒に共有してほしい」「関わってほしい」と思い、一人でいることもあります。
なので、その場面を見ることが多くなったら、お母さん・お父さんは、しっかりと子どもの感情を受け止めて上げましょう。
一人でなることが多くなったのを、放置したり、手がかからないから大丈夫だなと思ってはいけません。それが結果、引きこもりや孤独を産んでしまいます。
自分の感情を言うことが出来なかったり、その気持ちを受け入れてくれた体験がないと、大人になると、自分の気持ちや意見がわからなくなり、生きづらさを産んでしまいます。
嘘をつくようになる
子どもが嘘をついたり、家の物を隠すような行動を取るようになってきたら、「もっと僕のことをかまってよ!」というサインになります。
怒られてもいいから、お母さん・お父さんに自分のことを見てもらえるなら、わざと嘘をついて親を振り回したり、ものを隠して親に怒られるような行動をするのです。
万引を常習的にしてしまう人の心理は、「幼少期の愛情不足」が原因な人が多いです。
それは、幼少期に親が子どもと向き合っていないからこそなんです。
親が向き合ってくれないから、たとえ犯罪まがいのことをしたら親が僕のことを見てくれるんじゃないかと、無意識ながらに決断してしまい、繰り返してしまうのです。
だからこそ、嘘をつくようになったり、ものを隠していることをしていたら、怒るのではなく、またお金や物ではなく、しっかりとお母さん・お父さんは、愛情をいっぱいあげましょう。
甘える行動が多い
子どもはとても感情表現が豊かです。怒ったり、わがままになったり、時には急に甘えてきたりします。それも、愛情不足ゆえの行動です。
急に抱っこを求めて来たり、膝の上に乗ってきたりすると、子どもは愛情を求めて来ています。
これも、自分のことを見てほしいというサインです。
愛情不足で育った大人の特徴
先程は、愛情不足で育った子どもの特徴を書きました。次は、愛情不足で育った大人の特徴を見ていきましょう。
人に依存しやすい
愛情不足で育つと、人に依存しやすくなります。
親からもらえるはずだった愛情が貰えないで育つと、貰えなかった愛情を埋めようとして、人に依存的になってしまいます。
また、些細なことで大きな不安を感じてしまいます。
不安を感じるときに、愛情たっぷりで育った大人であれば、多少の不安を感じるときでも、思い悩むことはありません。
しかし、子供のころに、愛情不足で育ってしまうと、不安を感じたときに、自分で不安を乗り越えることができなくて、常に恋人や友人、話を聞いてもらえる人がいないと、不安を乗り越えることができません。
自分で不安を乗り越えることが出来ないために、人に自分の不安を和らげてほしいために、依存的になりやすいです。
また、人に依存しやすい人の中には、「一人でいること」が耐えれない人が中にいます。
一人でいると、不安や孤独に襲われてしまいますので、常に誰かと一緒にいたり、自分のことを大切に思ってくれたり、言うことを聞いてくれる人を常に、自分の周りにおいておく人もいます。
これもやはり、子どもの頃に一人でいたときの不安や孤独を、大人になっても味わいたくないために、常に自分の周りに人がいるようにしていく人もいます。
人の顔色ばかりを伺ってしまう
子どものころに、お母さん・お父さんに、気持ちや感情・行動を受け止めて貰えていないと、大人になったときに、「人の顔色ばかりを伺ってしまう」ことになります。
泣いたり、怒ったり、わがままを、親に受け止めて貰えず、いつも怒られ、「わがままを言わない!」「少しは我慢しなさい!」と親が子どもを怒ってしまうと、
子どもは、自分の感情を出してしまうと、お母さん・お父さんが怒ってしまうと思ってしまいます。
そうすると、子どもは、自分の感情を出してはいけないんだ。出してしまうと、お母さん・お父さんに怒られるし、気を使われてしまうと思ってしまいます。
そのことがあったことによって大人になるときに、子どものときに自分の感情を出してはいけないと思ってしまい、また感情を出すと怒られてしまうというのがあるので、つい人の顔色を伺って行動をしてしまいます。
人の顔色ばかりを伺い行動すると、自分の軸がわからなくなり、自分の評価(セルフイメージ)や仕事の評価を、全て人に左右されてしまうので、生きづらくなります。
自分の価値観やセルフイメージが低い
子どものころに、愛情をたっぷり貰えていないと、「自分が大切にされている存在」というのが、わからなくなり、
常に「見捨てられ不安」に駆られてしまいます。また、「自分に自信が持てない」というのも、特徴です。
- 「自分はダメな人間だ」
- 「自分なんかなにやってもどうせ失敗しかしない」
- 「こんなことも出来ないなんて、私はろくな人間じゃないんだ」
とつい、自分を責めてしまうことも、「親の愛情不足によって考えてしまうクセ」です。
子どものころに、愛情をたっぷり注がれ育つと、失敗しても大丈夫だという感覚や、自己肯定感などがすでに育っているので、自分を責めることはありませんが、
愛情をあまり貰えないで育ってしまうと、セルフイメージや自己肯定感があまり育っていないので、つい自分を責めてしまうことをしてしまうのも、特徴の一つです。
人間関係・恋愛が上手くいかない
子どものときに、愛情を貰えないで育ってしまうと、他人に対して愛情の伝え方がわからない人が多いです。
そうすると、好きな人がいたとしても、どうやって自分の気持ちを伝えればいいのかもわからないですし、相手に親心のような接し方を求めてしまうので、相手は荷が重く感じてしまうことが多いです。
また人間関係も、そうです。
ちょっとしたことで相手を疑ってしまうので、どれだけ人から信頼されていたとしても、常に疑ってしまったり信じることができないのも特徴です。
そして、自分の気持ちや存在を受け入れてくれない人がいると、どんなにいい関係を築いていたとしても、一気に距離を離したり、関係性を切ってしまうことも特徴のひとつです
愛笑いが多い
「人の顔色ばかりを伺ってしまう」「人に依存してしまう」と似ているかもしれませんが、愛想笑いが多いのも、愛情不足ゆえの特徴です。
人に裏切られたくない、大切にされたい、私から離れないでほしいという気持ちがあるので、相手に合わせるように、笑ったり、泣いたりします。
子どもの頃に、親が感情を受け入れてくれなかったことや気持ちや感情を出したことで、親から怒られたという体験によって、自分の感情を出していいのかわからないですし、また、感情を否定されると、その感情を出していいのかわからないからです。
だから、人の感情に合わせたり、愛想笑いをすることで怒られるということがないですし、大切にされたい、離れてほしくないという気持ちで、無意識で、愛想笑いをしてしまうことが多いです。
愛情不足をどう改善していくか
では、大人になった私達が、どう愛情不足によってしてしまう行動や性格を直していったらいいのでしょうか?
自分の存在を大切にしていく
大人になった今では、もう子どもの頃のように、親から愛情は貰えません。本当は、もう一度、親から愛情を貰えたら愛情不足は解決するのでしょうけども、現実的ではありません。
だからこそ、「今の自分の存在を大切にしていくこと」です。
それは、楽しいことをしたり、コーヒーを飲んで心がホッとするならば、そういった自分の心が楽になることをやっていくことです。
愛情不足で育つと、自尊心やセルフイメージが低いです。何事にも、自分に自信がなくて、何をするにも自分はダメな人だと思ってしまいます。
だから、何かをしてもいつも自分を責めたり、心が葛藤してしまい、常に疲弊をしてしまいます。
なので、「今の自分の存在を大切にしていこと」をしていく中で、小さなことから自分を認めてあげていくことが大切です。
なにか仕事を達成することができたり、自分が頑張ったことを褒めてあげることを繰り返すことで、自分の存在を大切にしていくことができます。
もちろん人に褒めてもらうことも大切ですが、もし褒めて貰えなかったりすると、傷つくのは自分です。
また、褒めてもらうように行動をすることで、自分のエネルギーがどんどんとなくなっていきますし、人に依存してしまいます。
だからこそ、小さなことから自分を認め、褒めてあげることで、愛情不足を埋めることができ、愛情不足の特徴的な行動を減らすことができます。
アファメーション
「自分の存在を大切にしていくこと」の続きになってしまいますが、アファメーションをしていくこともとっても大切です。
アファメーションは自分の潜在意識(自分の心の奥底の気持ち)を変える事が出来ます。
また、自分が無意識で行動してしまっていることも変えていくことが出来ますので、愛情不足で育った私たちが、アファメーションをしていくとかなり効果があります。
自分の感情と向き合う
子どもの頃に自分の感情を受け止めてもらなかった故に、自分の感情が正しいのか。また、この感情を出していいのかわからなくなってしまいます。
なので、今の自分が感じた感情をひとつずつゆっくりと出していき、向き合うことが大切です。
自分の子どもの頃の感情をひとつひとつ探っていくのには、「インナーチャイルドワーク」も有効的です。
自分の過去を探ってみる
自分の過去を探ることは、しんどくて辛いです。ですが、探っていくことで、自分の今の生き方や性格のルーツを知ることができるので、自分を変えていくためには、必要なことでもあります。
ただ、気をつけていないといけないのが、探りすぎるとしんどくなり、心が落ち込んでしまいます。
- 「こんなに辛い生き方だったのか・・・」
- 「なんでこんなにも親から認めて貰えなかったんだ・・・」
と思ってしまい、怒りや悲しい感情に襲われてしまいますので、ちょっとずつ自分の幼少期の記憶を探っていくことが大切です。
あくまでも、今の自分の生きづらさのルーツを知るために、自分の過去を探っていきましょう。
まとめ
今回は愛情不足のことを書いてみました。
生きづらさを抱えている人やアダルトチルドレンの人の多くは、愛情不足で育っている人が多いです。
自尊心が低いことや人間関係が上手に築き上げることが出来ないことが多いです。
ですが、愛情不足で育った特徴を理解し、自分がどういった生きづらさを抱えているのかを認識して、そこからコツコツと自分を大切にし、自分が自分を愛することをしていくと、生きづらさが少しずつ無くなって行きます。